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「ねこの手ハウス」がオープンしてすぐだったでしょうか。Tさんという髪の長い美しい女性が来店されましたが、店内に入れませんでした。聞くと化学物質過敏症のためとか。壁紙かお客さんのお化粧が原因か。その後も野菜を買いに時々来店されましたが、そのうち乳がんになられたと聞きました。医者には癌になるだろうと言われていたと聞きました。それでも化学物質過敏症のため入院や手術ができないと聞きました。身体に良い水や良い食べ物を一生懸命探して利用していらっしゃいました。自然食品の店で買った野菜も中に身体が受け付けないものがあって、農薬を使っているとわかるんだと聞いて、農薬を使用しているかどうかのバロメーターになるねと話したものです。ねこの手の野菜や果物は食べられると言われて今更ながらその安全性を実感したものです。そういう気楽な話ができたのも、癌と言われても手術をしなくても、自転車に乗り、ポステイングのバイトをずっとしておられたからです。もう癌が深くなってカチンカチンなのよと胸を触らせてもらったこともありますが、それもポステイングの途中でした。癌になって手術をしなくても元気に見えるので希望の星だよと本気で言ったものです。
その後、外では見かけなくなり気にしていましたら、なんとねこの手の会員でもあるAさんが他の事業体からの派遣ヘルパーとして伺ったお宅がたまたまTさんの家だったのです。もうかなりひどい状態だと聞きましたが、久しぶりに電話があったTさんの声はいつものようにお元気そうでした。それでも具合が悪い時には電話がかけられなくて、体調が良い時しか電話ができないとのことでした。モルヒネを使うと身体が冷えて一層体調が悪くなると聞きました。痛くて痛くて夕べは眠れなかったのよと聞いても、電話をかけてくれる時にはお元気そうな声でした。もう癌がくずれて胸が陥没しているのよと話す声もお元気そうでした。
良いという情報を得るとすぐ行動に移しておられました。その強いエネルギーで癌と戦っていられるんだねと話したものです。それでも良いと言われて治療を受けたけど痛みで失神したとか、救急車で運ばれたとか、事後報告ですが、それも元気そうな声でした。夜中に出血がひどくて父親を起そうとしても90歳を越しているので耳が遠くて起きてくれなくて一人で止血したとか。壮絶な日々なのに報告はお元気そうな声でした。
最近では、良い治療器械の情報を得て、遠方に出かけて治療を受けていましたが、借りることができて自宅で治療できていました。そして突然ひどい出血があり、翌日あちらの世界に行かれたのです。ねこの手の夏休み前に電話で話したのが最後でした。夏休み明けに私の定期便を読んでくれたようですが、具合が悪いと電話の声でわかるからと言って電話をくれなかったようです。Aさんがとても気がついて心から世話をしてくださるから感謝していると電話のたびに言っておられました。
桜まつりの前にバザーに寄付したいものが沢山あるからとりに来てほしいと連絡がありました。バザー協力品は持ち込んでいただける範囲にしようということになっていましたが、すぐに車で伺いました。体調が悪いはずですのに、ずっと以前亡くなられたお母さんの物とか古い品を沢山準備してくれていました。「来年の桜祭りにはもっと出せるから・・」と彼女が言いました。
痛みから解放されて良かった・・。
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